姫路城 鯱 役瓦 復元製作

 

平成14年度より姫路城修復の差し替え瓦を見本瓦を手本に型を製作して 手作りで役瓦を作っています。15年度は、ハの渡櫓(塩櫓)天保六年製作の鯱を復元新調させていただきました。その後25年度まで年度ごとの修復の際、補足瓦の瓦当の型製作(石膏を彫ります)検査でOKが出たら手作り瓦の製作をはじめます。同じように作るのが難しいです。

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左復元新調と見本の軒巴


 
       
天保六年(1835年)九月上旬 筒井七兵衛作 
鯱全長 三尺(約90センチ)


   
平成15年10月吉日 安川清泉作
 
焼き上がった鯱 平成15年12月
 
文化5年(1808年)9月
 
大小瀬市郎左衛門義種

  
平成20年撮影 ハの渡櫓(塩櫓)

〜時を越え巨匠とコラボ〜
鯱の下の鬼瓦(酒井家家紋・
酢漿紋)は現役です。上の写真のように文化5年(1808年)作で大小瀬氏が作っています。大小瀬氏と言えば播磨の瓦師では名門中の名門で 代々瓦師をされていたようです。いつ頃からされていたのかは調べていないのでわかりません。何か知っている方は是非教えてください。200年前の巨匠の鬼瓦の上に私の作った鯱があるのが夢のようで不思議です。大変恐縮いたします。

 
※ 平成16年度ハの渡櫓 軒巴 掛巴 平草 輪違い 菊丸 隅蓋の復元 
  
ハの渡櫓製作した数量

掛巴(揚羽蝶)33個 菊丸171個 輪違い199個 軒巴(揚羽蝶)113個 軒巴(五三の桐)85個 9寸隅蓋 1個

  
 
  
見本瓦と復元新調瓦
 
 

一つ一つ手作りです
 

20年度撮影 
 
※ 平成17年度 西の丸 立葵紋鳥伏間 軒巴 復元製作 

製作した数量

 鳥伏間(立葵)8個  軒巴(立葵)6個 

       
見本と復元新調

施工後 (鬼瓦は製作していません)

西の丸は本多家の家紋で立葵になります。昭和の初めころの瓦でしたが瓦釘が錆びて膨張して釘穴を引き裂いて横に2つに割れていました。瓦自体はダメージはなくまだまだ使えるのに残念です。釘の錆びが原因です。本当に錆びの力は恐ろしい
 
 ※ 平成18年度 西の丸 と 菱の門東方土塀?

製作した数量

化粧櫓 軒巴(立葵)20個 鳥伏間(立葵)10個 土塀軒巴(酒井家剣酢漿)92個 平唐草5個 手切り素丸14個 手切のし瓦40個

  ※ 平成19年度 西の丸 と 菱の門東方土塀?
 
製作した数量

化粧櫓 軒巴(立葵)5個  土塀用平唐草(波形紋)10個 手作り大型のし 25個 

 
波形紋軒平唐草見本 復元製作 先ず雌型を彫ります
 
 ※ 平成20年度 西の丸(ルの渡櫓)
 
製作した数量

 ルの渡櫓 軒巴(立葵)30個  掛巴(立葵) 11個 鳥伏間(立葵)6個 鯱の鰭16個 谷丸2個 
 
  破損瓦 
   
 
    
 
 工事終了後  銀色に輝いている瓦が新調した瓦です
    
 
    
 
  鯱の鰭 見本を元に復元製作 
  
 
 ※ 平成22年度 西の丸レの渡櫓(百陂L下) 
長い間姫路城の補足瓦を製作してきましたが百陂L下が一番たくさんの瓦を製作しました。約5、60メートルにわたり製作しました。
製作した数量

 レの櫓 軒平瓦【滴水瓦】(立葵紋)180個 軒巴 (立葵紋)180個 谷丸復元 2個 谷平 3個 菊丸 輪違い 40個 鳥伏間(立葵)8個
カの櫓 鯱の鰭 1個 

 
約5、60メートルにわたり製作しました。軒平瓦【滴水瓦】(立葵紋)180個 軒巴 (立葵紋)180個


  復元した見本瓦 
 
 
紋の細部までは見本と全く同じようにはできません。角度も勾配定規で計り製作しますが乾燥や焼成時の狂いがあります。接合部の肉盛りなどで巴のラインを出していきますがこれも感覚的なところもあります。軒巴180本手作りなので少しくらいの狂いは【趣】ということでご勘弁を! 
 
製作の様子 軒巴
   
 
 
 
       
 
 
 
製作の様子 軒平瓦【滴水瓦】
    
 

レの渡櫓【百陂L下 】180個
 
  
   
 
 
平成23年撮影  レの渡櫓 この写真の左から右まで軒巴と滴水瓦を作りました
 
  
 
※ 平成23年度 いの門東方土塀 ロの櫓
 
製作した数量

いの門東方土塀 三つ巴紋軒巴 95個  源氏車紋軒巴 145個 平唐草 15個 手切り丸瓦 120個 手切り平瓦 140個
 ロの櫓 軒巴1個 鳥伏間 1個

   
 
 破損瓦 
 復元製作した瓦当 
 
 
    
            いの門東方土塀の源氏車紋軒巴製作中                  ロの櫓 鳥伏間復元製作中
  
 
 見本瓦と復元新調瓦 巴 平草は瓦当を復元 丸瓦平瓦は寸法に合わせてカマで切って製作
 
   
 
※ 平成25年度 ワの櫓東方土塀他2棟 
 
製作した数量

 三つ巴紋軒巴 38個  手切り丸瓦 45個 手切り棟丸11個 手切り平瓦 61個 手切り熨斗23個
 

 




新調瓦
 
見本瓦
 
復元新調と見本瓦
 
軒巴製作と乾燥
 
※ 平成26年度 太鼓櫓ほか4棟保存復元工事
 

太鼓櫓から天守を撮影2014.12.19
 
製作前の鬼瓦・鳥伏間・谷丸
 
製作中復元新調
 
 施工後

  
 年号のような文字は確認できたが風化が激しく肝心なところが欠けて破損、残念ながら判読不可能 源氏車紋(榊原氏)
 
 
 
 
 
 ※平成27年度姫路城保存工事(との一門、との二門、との四門、トの櫓)


 
補足瓦破損状況
 江戸時代の風化した瓦の交換と昭和20年頃の瓦風化ではなく鉄釘の錆びによる膨張によるクラック、破損瓦交換

 
補足瓦製作中
 
 
 
焼き上げ後
 
 
施行後
 
 
 
 ※ 平成28年度 姫路城保存工事(リの一、リの二渡櫓)